小児内分泌疾患について

低身長症

低身長症

① 身長が同年齢の標準身長から-2SD(標準偏差の2倍)以下の場合
② 1年間の身長の成長速度が2年続けて-1.5SD 以下(小学校低学年では4㎝以下)
成長速度の変化は成長曲線をつけることによってパッとみてわかります。

<当院での低身長の見方>
当院では成長曲線をつけた上で、診察をし、必要があれば血液検査やを行います。
診察では主要臓器(心臓・肝臓など)の病気がないか?と思春期の進みをチェックします。(女児では乳房の成長、男児では精巣のサイズを計測)
血液検査では一般的な検診で行う項目に加えて、甲状腺ホルモン、性腺のホルモン、ソマトメジンC(IGF-1)を測定します。

ソマトメジンC(IGF-1)とは・・・?
脳から出た指令を受けて下垂体(かすいたい)から分泌された成長ホルモンが働くと肝臓で産生される物質です。比較的安定で変動も少ないのでGHのすぐれた分泌評価指標として用いられます。

<低身長の原因>
① 思春期がゆっくりくるお子さん
通常女児は10歳頃、男児は12歳頃から始まる思春期がゆっくりのお子さんは思春期が始まる前に、一時的に成長率の低下を認めることがあります。
② 甲状腺ホルモン欠損症
先天性のホルモン欠損症は新生児マススクリーニングで診断されるので、ほとんどは後天性です。体重増加、疲労、便秘、硬い乾いた毛、乾燥した厚いざらざらの皮膚などの症状を伴う場合もあります。血液検査と甲状腺超音波検査で診断が可能です。甲状腺ホルモンにて治療ができます。
③ 成長ホルモン欠損症
ソマトメジンC(IGF-1)の値が年齢と思春期の進度とを考えあわせて低値であった場合に疑います。2種類の成長ホルモンの負荷試験で低値を認めた場合に診断されます。

<成長ホルモン治療の保険適応について>
ほとんどの低身長で保険適応にはなりません。適応のある疾患は下記です。

① 成長ホルモン欠損症
前項参照

② SGA性低身長症(お母さんのお腹の中にいる期間(在胎週数)に相当する標準身長・体重に比べ小さく生まれたお子さん)
3歳以降で成長ホルモン治療の保険適応がある場合があります。治療の適応になるかどうかは基準があります。母子手帳をご持参の上、ご相談ください。

③ ターナー症候群
染色体検査で診断されます。二千人に一人くらいの割合でみられ、女の子にある2本のX染色体が一本しかなかったり、一部が欠けていたりします。多くは思春期遅発、心疾患の合併があります。

④ プラダーウイリー症候群・骨形成不全症・腎不全など

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